ハンドメイド作家からメーカーへ!人気ショップ運営の白川晴美さんにインタビュー

ハンドメイド作家として生計をたてる

そんな生き方に、憧れたことのある女性は多いのではないでしょうか。

私の周りでも、minneやcreemaに出店経験のある人は実際たくさんいます。

 

でも、ハンドメイドの世界は、想像以上に厳しいもの。

最初は趣味で楽しくやっていても、ほとんどの人は、売り上げの少なさに落胆し、やめていってしまうそうです。

 

今回私は、そんな厳しいハンドメイドの世界で売れっ子作家となった、白川晴美さんにインタビュー。

売れるまでの苦労や収入のこと、ご家族のことなど根ほり葉ほり、聞かせていただきました!

 

ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部 まりこ

「売れっ子ハンドメイド作家」にとどまらず、最終的にはメーカーを目指したいという白川さんのお話はとても刺激的。

特に、フリーランスとしての生き方を模索している女性にとっては、背中を押されるような言葉がたくさんです。

是非、最後までお読みください!

 

人気ハンドメイド作家・白川晴美さん

白川晴美さんのお仕事
ハンドメイトショップ 【ねむりんご】運営
・オリジナルの抱っこ紐(特許取得済み!)
・子供用のエプロン
・子供用の甚平などを販売されています。

ある一日のスケジュール

6:30起床
7:30朝食・子供が登校・ペットのお世話
8:00ストレッチ・メールチェック・一日のスケジュール確認
9:00~ハンドメイド製作(同時にYou tube等を活用してビジネス勉強)
10:30家事①
11:00~ハンドメイド製作(同時に勉強)
12:30昼食
13:00~仕事・軽い運動
15:30家事②
16:00子供が帰宅・だんらんタイム
17:00買い物・商品発送・ペットの世話
19:00夕食
20:00仕事
21:00お風呂・家事③
22:00素敵な未来の妄想タイム・お仕事のアイディアを練る
23:00ヒーリング音楽・ストレッチ・瞑想
23:30就寝

 

ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
一日をかなり細かく区切り、隙間時間を最大限に活用されているんですね…!
そして、毎日勉強を欠かさないという点にも驚きました。
ミシンをかけながら勉強ができるのは、さすがです…。

教員からハンドメイド作家へ

 

ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
白川さんは、いつからハンドメイドのお仕事をされているのですか?
白川さん:初めてネットショップを立ち上げたのが9年前。minneで販売を開始したのが、4年前です。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ

かなり長く続けていらっしゃるんですね!

ハンドメイド作家になる前は、どんなお仕事をされていたんですか?

 

白川さん:以前は学校の教員(保健室の先生)をしていたのですが、結婚・出産・引っ越しが重なったのを機に退職し、育児に専念することにしました。
でも、初めての育児は甘くなく…寝かしてもすぐ起きる「敏感ベビー」だったために極度の睡眠不足になったんです。

「寝かしつけを成功させて、自分の時間がほしい…!」そんな切実な願いから、新生児から使える抱っこ紐を自分で作ることにしました。

白川さんのオリジナル抱っこ紐。新生児の横抱きが可能。
首すわり後は、おんぶ・だっこ両方OK。ファスナー式で、寝かしつけ後の赤ちゃんの移動が楽。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ

育児をしていると、「こんな商品があったらいいのに…!」と思うことはたくさんありますよね。でも、それを実際に形にしていくのは、すごい行動力だと思います。

その後、発明コンテンストで特別賞をとったり、意匠(創作デザインの権利)を獲得されたりしているんですよね。

 

白川さん:はい。ある日、奥様雑誌を読んでいて、発明で稼いでいる「発明主婦」のことを知ったんです。
「私も発明主婦になろう!」と決意して、その日のうちに「発明アイディアノート」を作りました。
特許庁の『意匠権』を取得する際には、専門家に依頼すると高額なので、自分で勉強して申請しました
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
一度決めたことは必ず実現されていくのがすごいですね!
その後、今の人気商品であるエプロンを販売開始されたとのことですが、どうしてエプロンを商品として選んだのでしょうか?ハンドメイドストアでは、スタイや子供服をよく見るけど、エプロンって珍しいですよね…?
白川さん:たくさんあるハンドメイド作品の中で、「競合を避けて自分の立ち位置を確立する」ために子供用エプロンを主力にしています
スタイや子供服はどんなに可愛く作っても、作品の全体数が多いので埋もれてしまいますよね。
いきなり自分の好きなものを作るのではなく、「お客様のニーズがあり、かつ競合が少ない」ところをねらい目にすることが大事かな、と考えたんです。
さらに、もう一歩踏み込んで考えると、多くの子供用エプロンは、ポップでカラフルなものなので、私は「大人っぽくて、モノトーンやナチュラルカラー」で独自路線をとり、差別化を狙っています
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ

確かに、白川さんのエプロンって子供用商品ではあまり見ない、落ち着いたデザインです。それが独自性となって、お客様のファン化につながっているんでしょうね!

ちなみに今、どれくらいの売り上げがあるのでしょうか

 

白川さん:このドレスは、販売開始からの売り上げが170着を超えました。月の売り上げにすると、教員時代の5~6割くらいいにはなりますね。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
ほとんどの人が3万円以下の売り上げ、というハンドメイド市場で、それはすごいです!
でも、そこまでは長い道のりだったんでしょうね。
白川さん:はい。本当に「売れるようになった」という実感がわいたのは最近のこと。芽が出ない時期の方が圧倒的に長かったですよ。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
ぜひその話、詳しく教えてください!

ハンドメイド作家として成功するまで

ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
ハンドメイド作品販売を始めたものの、最初の頃は売れ行きもあまりよくなかったとお聞きしましたが…。
白川さん:はい。自分でネットショップを開設したのですが、商売の知識もネット販売の知識も乏しくて、月に1~2点の販売(売り上げゼロの月も!)が数年続きました
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
数年間も…!でも、その間に色々な努力をされたんですよね。
白川さん:はい。実はハンドメイドのストアを運営していると、色々な営業電話がくるんです。
最初はSEO対策(Googleの検索結果で上位に表示されるようにすること)の営業。思い切って高額サービスの申し込みをしましたが、成果は出ませんでした
次に、アプリ制作の営業電話から、サービス申し込みをしましたが、これも成果なし。
そこで思い切って、有名ハンドメイド作家のコンサルに申し込んだのですが、これも成果に繋げられませんでした(涙)。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
うう…それは辛い…。
よくネットの世界では、成功するためには自己投資を!という言葉を聞きますが、白川さんの場合は、それがうまくいかなかった。たくさん自己投資をしたのに、うまくいかなかったのは何故なのでしょうか?
白川さん:考え方の問題ですね。そのころの私は、「お金は出すから、誰か売れるようにしてくれないかなあ」と完全にぶら下がりマインドでした。この考えかたを改めるまでは、どれだけお金を積んでも売れることはなかったです。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ

耳が痛いです…自己投資が正義とされるフリーランスの世界では、ともすれば、投資をすること自体が目的になりがちですよね。

でも、結局は成功するためには自分で考えることが何より必要。
当たり前のことながら、この世界に身をおいていると、ついつい忘れそうになってしまいます。

その後は、売れるためにどんなことをされていったのですか

 

白川さん:人に頼るのをやめて、自分で売れているショップの研究を始めました。あとは、人気作家さんのメルマガに登録したり、北海道の起業者支援事業に相談をしたり…、これらは全部無料でできることですが、「自分で学ぶ姿勢」を持つことで、結果的に作家としてブレイクすることができました
ワーママスタイル副編集長 まりこ
まりこ

わかります!!私も以前、尊敬する上司に「仕事のやり方を教えてください」といったところ、「仕事は教えてもらうものではなく、学ぶものだ」と諭されたことがあります。

どれだけ環境を整えても、最後に重要なのはやっぱり自分のあり方なんですよね。

仕事と家事のバランスのとり方

ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
売れるまで相当な時間がかかったという白川さんですが、その間、ご家族からはどんなことを言われていましたか?
白川さん:そうですね…最初はやっぱり、ネットでの販売に懐疑的でした(笑)
夫は「そんなの本当に売れるの?」と言っていたし、母や義母にも、「外に出て働いた方がお金になるよ」と言われました。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ

白川さんの場合は、教員としての資格やキャリアもあるので、なおさらですよね。

そこから、ご家族の理解を得るために、どんなことをされましたか

白川さん:とにかく、自分のやりたいことをぶれずに貫く姿勢を見せ続けました。
また、家族の理解を得るためにも
  • 先に「感謝の言葉」を口に出す
  • 照れずに相手を褒める

ことを大事にしています。

主婦が自分のやりたい事に取り組むとき、意外とハードルになるのが家族(パートナー)だったりするので、普段から感謝やほめることばを口にして、関係を良好に保つことが大事だと思います。

今では、主人が一番の仕事の理解者だし、子供たちも私が製作で押しているときなどは、食事を自分で作ったり、私の食事も作ってくれたりするんですよ。
白川さんとお子さんたち
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
すごい!やはり家で仕事をする以上は、家族との信頼関係は大事だなと痛感しました。

 

最終的な目標はメーカー!

ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ

今後は、売れっ子作家にとどまらず、メーカーを目指していきたいとのこと。

ハンドメイド作家の枠をとびこえ、事業規模を拡大しようと思ったのにはどんなきっかけがあったのでしょうか

 

白川さん:ハンドメイド作品が売れてきて、本当に嬉しくてありがたいと感じました。
でも並行して、日々の生活がタイトになりました。
「子供と過ごす時間」「ペットのお世話タイム」「お部屋を整える時間」など自分が大切にしたいポイントが疎かになってしまう状況に違和感があったんです。
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
わかります…私も、在宅ワークに切り替えて自分の時間を増やしたい!と思っていたのに、かえって忙しくなっているのが現状です…。
白川さん:それとお金の面ですが、作品の制作数には限界があるので、得られる収入にも限りが出てきます

一度の人生なので、豊かさの面でも更に挑戦をしていきたい。

同じ場所にとどまるのではなく、新しい世界・未知の事柄にもチャレンジして、人としても成長していきたい

そんな思いからメーカーを目指すことにしました。

ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
格好いいです…!
ハンドメイドをやっている方って、きっと色々な想いがあると思うんです。ただ好きだからやっているのか、収入目当てなのか、それとも自己実現なのか…仕事を通して、「自分の本当にやりたいことってなんだろう?」と考えることで、もっと豊かな人生が送れるのではないか?とお話を伺って考えました^^メーカーを目指すために今はどんなことをされているんですか?今後の目標はどんなことでしょうか?
白川さん:まず、縫製はプロに依頼して価値の高い商品を作ることに注力しています。
それと自分のブランドコンセプトも、専門家の方と一緒に固めていっているところです。
目標は、ショッピングモールに出店することですね!
ワーママスタイル副編集長 まりこ
編集部まりこ
それは、今後がとっても楽しみですね…!
ぜひまたその後のお話も聞かせてください。今日は、貴重なお話をありがとうございました!

インタビューを終えて…やりたいことを明確にする大切さを学びました

多くの女性が憧れるハンドメイドの世界。

でも、そこで語られる成功事例にはあまりバリエーションがなく、メディアなどでも「主婦が家事の傍ら、〇万円稼ぎました!」のような紹介のされ方がほとんどだと思います。

 

そんななか、「自分はこの仕事を通して何を実現したいんだろう?」「一度きりしかない人生で本当に自分が実現したい望みは何なんだろう?」ということを深く考えることって、すごく大事だなと考えさせられました。

10人の女性がいれば、働き方も10通りあってよいはず。

そのなかで、ハンドメイド作家を超えてメーカーを目指す!という革新的な選択をされた白川さんに、個人的にとても刺激を受けました。

私も自分の仕事を通じて、より豊かな人生を歩んでいきたいなと、心から思います。

 

白川さんの活動紹介

■アイディアママの子供用品「ねむりんご」

眺めているだけでうっとりしてしまう素敵な商品ばかりの「ねむりんご」。

 

実は、白川さんよりワーママスタイルの読者の皆さんへ嬉しいメッセージが…!

「ワーママスタイルをご覧になってくださった方限定で、《送料無料+プチプレゼント付》でのご提供をさせてください。お会計の前に、《メッセージ》から、「ワーママ見ました」と一声かけてくださいね。皆さまの毎日のがんばりと明日へのステップアップを応援しております。」

とのこと^^ 私も、7月に誕生予定の甥っ子にプレゼントを購入します…!!

各ストアへはこちらから↓

ねむりんご minne店

ねむりんご creema店

ねむりんご BASE店

記事を書いた人:まりこ
二女の母兼ライター。家事も仕事も、「無理なときは無理と認める。出来るときには目いっぱい楽しむ」のがモットー。