日本のワーママ達は小さいお子さんを保育園に預けたり、小学生だと学童などに預けることが多いですよね。
けれどヨーロッパのワーママ達は託児施設に預ける以外の選択をしている人も結構います。
その選択肢とは祖父母による自宅保育!
今回はヨーロッパのワーママ達を支える、驚きの祖父母のサポート事情についてご紹介します!
中東欧では祖父母のバックアップが充実
ヨーロッパと一言に言っても、北欧・西欧と南欧・東欧では少し事情が違います。
大まかに言うと北欧・西欧(スウェーデン、フランスなど)は比較的保育施設が充実しているため、1歳から子供を預けるケースが多いです。
一方、中東欧(ギリシャ、セルビアなど)は保育施設が整っていない地域が多く、保育園や託児機能のある幼稚園に入園するのは2歳からが主流。
なので2歳まで育休を使って、子供と過ごすママ達が多いんです。
けれどそれより早く仕事に復帰する場合や、2歳になっても定員いっぱいのため園に入れない場合もあります。
そういった場合、多くの人が祖父母の協力を得ています。
祖父母のサポートって具体的にはどんな感じ?
祖父母のサポートって一体どんなことをしているのか。
具体的には
- 保育園入園前にママが仕事復帰した場合の子供の預かり
- 保育園のお迎え〜親が帰宅するまで孫と過ごす
- 病気になった場合や、夏休みなど長期休暇の預かり
など。
私の娘が通う幼稚園では、ほとんどのママが働いています。
幼稚園というより保育園に近い機能で、預かり時間は朝8時30分から18時まで。
日本の保育園と比べると朝がゆっくりですね。また基本的に延長保育は認めないというスタンスの園がほとんど。
朝の送りは多くの場合父親が担当し、お迎えは母というパターンが多いですが、年齢の低いクラスでは12時頃や16時頃のお迎えする方もいます。
その時間に仕事を終えてお迎えに来られるのでしょうか?
もちろんフルタイムワーママには基本的にそれは無理。
この場合、ベビーシッターさんや祖父母がお迎えを担当しています。
またこちらの幼稚園では、割と簡単に子供を休ませます。
例えば「鼻水が黄色いから明日は幼稚園に来ないでください」なんて言われることも!
そんな時にも祖父母が大活躍!
自宅に祖父母を呼び子供をみていてもらうため、ママ達も安心して仕事に行くことができます。
また祖父母が田舎在住の場合は日常的なサポートは得られませんが、長期休暇の際には1ヶ月などまとめて祖父母に子供を預けることもあるようです。
大活躍の祖父母!その反応は?
日本でも祖父母のサポートを得られる人もいますが、最近「祖父母の孫疲れ」やサポートを頼みすぎて険悪になったなんて話も聞きます。
そこで友人たちに日本の状況を伝え、ヨーロッパでの祖父母の孫疲れや祖父母自身の仕事への影響などに聞いてみました。
すると友人達は驚いて「孫と過ごせるなんて幸せじゃない!孫疲れなんて信じられない!!」というリアクションでした。
また祖父母の仕事に関しては、孫が生まれた時点で祖父母が仕事を辞めたりするパターンもあるとの答えが・・・!!
ずいぶん思い切ったことしますね。
近年ヨーロッパでは、こうした形で祖父母が孫と過ごす時間が増えてきたことから、祖父母向けの孫との関係性をテーマにした雑誌も創刊されるほど。
孫と祖父母が過ごす時間の増加により、孫と祖父母の信頼関係が築けて、子供の情緒にも良い影響があるといったプラス面も多くあります。
一方、小さいうちは祖父母による保育でも良いけれど、年齢が上がると教育的な要素が増えるので、きちんとした保育機関や教育機関に預けたいという声もあります。ただ金銭的・時間的余裕がなくて頼めないなどの事情もあるため難しい問題です。
また親世代と祖父母世代での考え方の違いが浮き彫りになり衝突してしまうパターンもあるようです。
祖父母にうまく協力してもらうための秘訣は?
祖父母の協力の背景には、古くから培った社会的な要素が根強く絡んでいます。
東欧を始めとするヨーロッパの一部の国ではかつて共産主義でした。
共産主義の国では昔から女性も労働力としてカウントされ、外で働くことが当たり前。
こうした慣習が古くから残っているため、女性が働きにでることへの抵抗が少なく、祖父母世代の積極的な協力体制に拍車をかけているようです。
また日本では相手の状況や言いたいことを察する文化ですが、ヨーロッパでは思ったことをはっきり言葉で伝える文化があります。
そのため、祖父母と親世代で考え方の違いなどがあった場合や無理だと思った時にははっきりと言葉で伝え合っているようです。
こうしたコミュニケーションのあり方こそが、お互いにストレスを溜めずに協力関係を続けていく秘訣なのではないでしょうか。
文化によって異なる家族のサポート事情
この記事は決して<日本でも祖父母のサポートをもっと充実させるべきだ!!>というわけではなく、あくまで中東欧の祖父母のサポート状況の紹介です。
文化や個人の考え方の違いもあるので国単位で一概には語れないし、家族間のみのサポートは一長一短。
ですが、家族のサポート体制が整っていて親世代と祖父母世代の同意が得られる場合、ママが働く際のサポートの選択肢が広まることは間違いありません。
親子といえども別々の人間なので、お互いの気持ちは言葉にしないとわからないもの。
何か伝えたい、頼みたいことがある場合には自分だけで考えて諦めたり解決したりしようとせず、言葉に出して伝えてみてはいかがでしょうか。